とりむしさかなとコウモリと

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ふるさと納税をマクロ的に考えると逆参勤交代でござらんか?

こんにちは。

ふるさと納税、活用してますか。私ねおもばんは、ふるさと納税が主食といっても過言ではないかもというほどお米をもらっています。

ところが、ふるさと納税をできる環境にいながら、あまり活用していない人もまあまあいるようです。私の職場の同僚にも何人かいました。つまり、ふるさと納税否定派とでもう勢力でしょうか。

軽くイメージ化すると、

ふるさと納税肯定派

 ・返礼品がもらえるのでお得

 ・納税先や活用先を選べて地方貢献できる

ふるさと納税否定派

 ・高所得者ほど得をする制度に反対

 ・現住所以外に納税とは、受益者負担の原則から外れおかしい

 ・地方がふるさと納税集めに過剰化し、逆効果

 

こう書き出してみると、肯定派は少し単純で、否定派のほうが理屈が通っているように感じますよね。

しかし本当にそうでしょうか。

 

返礼品がもらえるのは確かにお得ですが、返礼品は「納税に対して」行われるものです。つまり、返礼品をもらう人は、所得税、住民税、その他税について、返礼品が少ない人よりも、常に多く納税の負担があるという人です。

日本は、累進課税です。所得が多いほど納税負担が加速度的に増加します。ですので、返礼品は年間の納税規模の一部が表面化しただけであって、実は、得をしているわけではないんです。つまり、ふるさと納税で返礼品が多い人=そのくらい納税負担が多い人、と考えるほうが正しいです。え、それじゃ、納税自慢の奴隷根性ってみられちゃうじゃん…、はい、そうかもしれません、私もこれからも、頑張って納税していきます…。


 

否定的な意見のもうひとつは、住所以外への納税が受益者負担の原則(今住んでいる自治体の行政サービスの財源が大事でしょ!)から外れている、というものです。

これも一理あるように見えます。が、実態はどうでしょうか。

事実として、ふるさと納税は、圧倒的に都市部の所得者から地方自治体へ、納税されています。つまり、都市部から地方への納税の流れがあります。単年度単位では

確かに、「今その瞬間の住民」にはそう見えますが、国民一人ひとりが「生まれてから死ぬまで」を考えると、どのような行政サービスを受けてきたでしょうか。

たとえば私ねおもばんの例では、関東以外の地方に生まれ、公立小学校から県立高校まで、ずっとその地方自治体に育ててもらっています。そして進学と同時に地方を離れ、今は、首都圏のとある企業で働いています。私ねおもばんが仕事で作り出した付加価値は在京企業の利益になり、支払われた私の給与の一部は東京に納税されています。

そして、定年したら、首都圏を離れて地方暮らしに戻るかもしれません。

どうでしょうか。こう見ると、地方と都市部の税収を、単年度単位でバランスさせるという構造も、受益者負担といえど、非常にアンバランスな状態に見えてきます。

もちろん、都市・地方で破綻がおきないよう、国が地方交付税交付金等である程度の調整をする制度だけでもこれまでやられてきましたが、住民ひとりひとりが納税先を選択し、インセンティブとして地方が返礼品を返すふるさと納税、よくできた調整弁ではないでしょうか。

 

さて、さらに広い視野でふるさと納税をみるとどのようなお金の流れになっているのでしょうか。

 

ふるさと納税をマクロ的に整理すると、都市部の自治体が地方の返礼品を購入し、都市部納税者へ還付している、ことになります。

 

加えて、都市部の財源が、寄付者が指定した地方の行政サービス実施に転嫁されることになります。例えば、子育て支援や産業育成などです。加えて、寄付を受けた地方自治体については、行政事務費返礼品の調達(地場産品の消費)に使われ、さらに返礼品配送のための国内配送費用に使われます。

 

これらの費用の特徴は、ほぼすべて「国内に住む人の給与」に使われ、すぐに国内経済に循環します。つまり、単なるお金ではなく、内需の形として国内全体に再配分されることになっていますね。

 

つまり、私がふるさと納税で地方の地場産品(例えばお米)の返礼品を受けることは、相対的に国外品(例えば輸入小麦)が減り、地方の仕事が増え、国内物流の仕事が増え、私の指定した「地方の子育て事業」に残りの税金が使われることにつながりました!

 

さて、これで都市部の行政サービスの実施財政は厳しくなるのでしょうか。

 額で見たらそうなります。しかしながら、これまでの歴史の中で、都市部は地方から働き盛りの人材があつまり、市街地や商業地を形成し、これまで相対的に恵まれた財源を使って強固な都市基盤を整備してこれました。今後は、行政サービスを効率的に実施しながら、都市部から地方へ、逆の参勤交代をすることで、日本全体(内需)に貢献していく時代ではないか、と思いをはせているわけです。

あぁ~日本のお米はおいしいなぁ!!


 

さて、今日はここまで!みなさまよい納税ライフを!(違うか笑)